俺がVIM-LaTeXについて書くしかない(4) ファイル編集(後編)

  • 追記(2009-11-09):ちょこちょこ修正。
  • 追記(2009-11-16):ちょこちょこ修正。

最終回である今回は、前回に引き続き、編集作業を行うのに便利な使い方を紹介する。

表紙:

目次

  • コンパイルとビュー
    • .tex -> .dvi
    • .dvi -> .pdf
  • プロジェクトの管理
  • BiBTeXの利用
    • 文献エントリの作成
  • おわりに

コンパイルとビュー

コンパイルは、まずコンパイル先の拡張子(ターゲット)を選択して、次にコンパイルコマンドをノーマルモードで打ち込めばよい。
ビューコマンドは、コンパイル終了後にそのまま実行できる。

.tex -> .dvi
:TTarget dvi
ターゲット選択
\ll
.texから.dviへコンパイル
\lv
.dviファイルをビュー

すでにdviをターゲット選択している場合は、最初のコマンドは必要ない。なお、初期ターゲットはdviなので、.tex から .dvi へのコンパイルとビューはすぐに実行できる。

.dvi -> .pdf
:TTarget pdf
ターゲット選択
\ll
.dviから.pdfへコンパイル
\lv
.pdfファイルをビュー

すでにpdfをターゲット選択している場合は、最初のコマンドは必要ない。

プロジェクトの管理

長大なLaTeXファイルを編集する場合は、ファイルを分割して、プリアンブルおよび \begin{document} 〜 \end{document} を書いたメインファイルから、各々のサブファイルを \include や \input で取り込むと便利だ。

このメインファイルとサブファイル群をまとめて「プロジェクト」と呼ぶことにしよう。VIM-LaTeXは、プロジェクトを管理するための機能を持っている。

ここで、メインファイルが main.tex 、メインが取り込むサブファイルが sub1.tex, sub2.tex の2つであるとしよう。

main.tex.latexmain という名前のファイルを、 main.tex と同じディレクトリに作成すると、VIM-LaTeXは、「main.tex がメインファイルである」と認識する。*.latexmain ファイルのことを「マスターファイル」と呼ぶ。

マスターファイルを作成することで、以下の二つのプロジェクト管理機能を利用できる。

プロジェクト単位でのVIMの設定

マスターファイルには、.vimrcなどと同様にVIMコマンドを書き込める。書き込まれたコマンドは、プロジェクトの任意のファイルを読み込んだときに実行される。

ただ現在のところ、自分の環境ではファイル内のコマンドをちゃんと読み込めない。原因は不明(追記[2009-11-16]:解決した。 --> Vim-Latexでマスターファイルに書いた設定がロードできない系の問題を解決する - 学習する機械、学習しない人間)。

メインファイルのコンパイル

マスターファイルが存在しているならば、カレントバッファがサブファイルである時にコンパイルを行った場合、メインファイルがコンパイルされる。

つまり、sub1.texやsub2.texを編集中に \ll でコンパイルを実行した場合、main.texコンパイルされるわけである。

BiBTeXの利用

.bibファイルを編集する際に利用できる、便利なコマンドが存在する。

文献エントリの作成

挿入モードでBBBと打ち込むと、文献エントリの種類を入力するよう促されるので、種類を入力すると以下のような空エントリが入力される(種類としてbookを選択)。

@BOOK{<+key+>,
    author = {<++>},
    editor = {<++>},
    title = {<++>},
    publisher = {<++>},
    year = {<++>},
    otherinfo = {<++>}
}<++>

BBBのほかにも、以下のようなエントリ入力コマンドが存在する。

コマンド 挿入されるエントリの特徴
BBB 最低限必要なフィールドのみのエントリ
BBL BBBによく使われるフィールドを加えたエントリ
BBH BBLにそんなに使われないフィールドを加えたエントリ
BBX 全ての項目をそろえたエントリ

おわりに

これで、VIM-LaTeXによるドキュメント編集のための機能をひととおり紹介したことになる。

これら以外にも、説明しなかった各種コマンドや、カスタマイズのための変数などが数多くある。それらについては、ヘルプファイルを参照して各自で利用してほしい。

また、これまでの説明に誤ったところや不足した部分があれば、ぜひ指摘してほしい。

それでは、楽しいLaTeXライフ(VIMライフ)を。