俺がVIM-LaTeXについて書くしかない(4) ファイル編集(後編)
最終回である今回は、前回に引き続き、編集作業を行うのに便利な使い方を紹介する。
表紙:
目次
コンパイルとビュー
コンパイルは、まずコンパイル先の拡張子(ターゲット)を選択して、次にコンパイルコマンドをノーマルモードで打ち込めばよい。
ビューコマンドは、コンパイル終了後にそのまま実行できる。
.tex -> .dvi
すでにdviをターゲット選択している場合は、最初のコマンドは必要ない。なお、初期ターゲットはdviなので、.tex から .dvi へのコンパイルとビューはすぐに実行できる。
.dvi -> .pdf
- :TTarget pdf
- ターゲット選択
- \ll
- .dviから.pdfへコンパイル
- \lv
- .pdfファイルをビュー
すでにpdfをターゲット選択している場合は、最初のコマンドは必要ない。
プロジェクトの管理
長大なLaTeXファイルを編集する場合は、ファイルを分割して、プリアンブルおよび \begin{document} 〜 \end{document} を書いたメインファイルから、各々のサブファイルを \include や \input で取り込むと便利だ。
このメインファイルとサブファイル群をまとめて「プロジェクト」と呼ぶことにしよう。VIM-LaTeXは、プロジェクトを管理するための機能を持っている。
ここで、メインファイルが main.tex 、メインが取り込むサブファイルが sub1.tex, sub2.tex の2つであるとしよう。
main.tex.latexmain という名前のファイルを、 main.tex と同じディレクトリに作成すると、VIM-LaTeXは、「main.tex がメインファイルである」と認識する。*.latexmain ファイルのことを「マスターファイル」と呼ぶ。
マスターファイルを作成することで、以下の二つのプロジェクト管理機能を利用できる。
プロジェクト単位でのVIMの設定
マスターファイルには、.vimrcなどと同様にVIMコマンドを書き込める。書き込まれたコマンドは、プロジェクトの任意のファイルを読み込んだときに実行される。
ただ現在のところ、自分の環境ではファイル内のコマンドをちゃんと読み込めない。原因は不明(追記[2009-11-16]:解決した。 --> Vim-Latexでマスターファイルに書いた設定がロードできない系の問題を解決する - 学習する機械、学習しない人間)。
BiBTeXの利用
.bibファイルを編集する際に利用できる、便利なコマンドが存在する。
文献エントリの作成
挿入モードでBBBと打ち込むと、文献エントリの種類を入力するよう促されるので、種類を入力すると以下のような空エントリが入力される(種類としてbookを選択)。
@BOOK{<+key+>, author = {<++>}, editor = {<++>}, title = {<++>}, publisher = {<++>}, year = {<++>}, otherinfo = {<++>} }<++>
BBBのほかにも、以下のようなエントリ入力コマンドが存在する。
コマンド | 挿入されるエントリの特徴 |
---|---|
BBB | 最低限必要なフィールドのみのエントリ |
BBL | BBBによく使われるフィールドを加えたエントリ |
BBH | BBLにそんなに使われないフィールドを加えたエントリ |
BBX | 全ての項目をそろえたエントリ |