OOo Math が意外と優れものな件

最近、プレゼンの作成に PowerPoint ではなく Impress を使っている。フリーで入手出来ること、またそれゆえどの環境でも最新のバージョンに揃えられることなどが利点だ(これは OOo 全般に言える)。

Impress でのプレゼン作成では、数式の作成に Math を利用している。使う前はなんとなく敬遠していたのだが、使ってみると、これがなかなか便利である。

というわけで、今日は OpenOffice.org の数式エディタ Math の紹介みたいなことをしてみる。

Math のいいところ

Latex に近い記法
Latex を使ったことがある人なら、数式記法が似ているため、簡単に覚えられる。
他の OOo のソフトウェアとの連携
OOo デフォルトの機能であるため、Writer や Impress など、OOo の他のソフトウェアとの連携が簡単にできる。特に Writer では、通常のテキストの中に Math で作成した数式オブジェクトをスムーズに挿入できる*1
GUI による入力支援
多くの数式記号を、ツールボックスや右クリックメニューから選択して挿入できる。記法を覚えられない場合や、入力が面倒な記法を利用する場合などに便利。

Math を使ってみる

動作確認: OpenOffice.org 3.2

Writer や Impress から Math を利用する方法を説明する。まず、Writer を起動しよう。

メニューバーで「挿入 > オブジェクト > 数式」を選択すると、画面下部に数式エディタが開く。エディタに Math 独自の記法による数式を入力することで、数式オブジェクトが作成できる。エディタへの数式入力には以下の3通りの方法がある。

  • 数式要素を直接タイプする。
  • 数式エディタ内で右クリックして、コンテキストメニューから数式要素を選択して入力する。
  • 画面に現れた「数式要素」ツールボックス*2から数式要素を選択して入力する。

試しに、数式入力欄に

%SIGMA _ {k=1} ^ {n} f(k) times g(k)

とタイプしてみよう。すると、画面上部には

 \Sigma_{k=1}^n f(k) \times g(k)

と表示されるはずだ。数式記法が極めて Latex に似ていることがおわかりだろう。また、

sum from k=1 to n {f(k) times g(k)}

とタイプすることで、同じ数式をもっとスマートに入力することが出来る*3。Math には、Latex に近い記法の他に、上記のような英語に近い記法も存在する。

OOo の使い方および数式記法一覧については、ソフトウェア付属のヘルプ、及び(バージョン 1.1.x が対象だが)以下のサイトのドキュメントが役に立つ(最下行にある「Math Objects: The Equation Editor」というPDF)。

数式エディタをすぐに呼び出す

数式を入力するたびに数式エディタをメニューから選択するのは面倒だ。「ツール > カスタマイズ > キーボード」で、数式エディタを呼び出すためのキーボードショートカットを設定しておこう。

*1:Impress では残念なことに、通常のテキストと数式オブジェクトを一緒くたに編集・表示することができない。

*2:表示されていない場合は、メニューバーで「表示 > 数式要素」をチェックすると表示される。

*3:実際、下記のマニュアルには「"sum" コマンドは "%SIGMA" よりもフレキシブルである」とある。