英語学習法のあるあるパターン

日本における英語学習法の書籍や記事は数限りない。自分も、これまで多くの本や記事を読んできた。その経験上、似たような主張をしているものが結構あった。

というわけで今回は、英語学習法の論説のありがちパターンを自分なりにまとめてみることにする。なお、項目は適宜追加予定。

パターン: 文法と読み書きについて

近年、英会話学校の隆盛や、コミュニケーション重視の風潮、慣れ親しむことに重点を置いた小学校英語などによって、読み書き、特に文法が軽視されることが多い。

このような風潮は嘆かわしいことだ。文法なくして英語の習得はありえない。

特に大人の場合は、ネイティブの子供のような「自然な」英語の習得ではなく、文法を中心とした「知識」を基に学習したほうが効率的なのである。

また、近年発達したインターネットでは、その情報の多くが英語で書かれている。ゆえに、英語の読み書きは以前にも増して重要になってきているのである。

パターン: 英会話学校について

英会話学校に行っても英語が身についたりはしない。

日本人のビジネスマンが毎週1回、数時間教室でネイティブと話したところで、英語が身につくことはない。これには大きく分けて、二つの理由がある。

ひとつは、時間の短さだ。毎週1回、数時間だけというのは、第二言語を身につけるための時間としては、少なすぎる*1。本気で英語を身につけたいのなら、日々継続的に、英語に触れる時間を作る必要がある。仕事で英語を使う環境を作るのが理想的だ。

もうひとつは、教師の不適切さだ。英会話学校のネイティブが、日本人に英語を教えるのに向いているとは限らない。ただネイティブであるというだけでは、大人の日本人に対して、日本人が陥りやすい英語の間違いを指摘したり、英語の文法事項を適切に教えたり、といったことはできない*2

パターン: 発音について

日本人の英語の発音はひどい。これはひとえに、中学高校などで発音やリズム、イントネーションをしっかり教えないことに問題がある。

既存の発音の本では、 /l/ と /r/ の違いや、 /f/ 、 /ae/ などの日本語にない音素の発音の仕方に力を入れているものが多い。しかし、それよりももっと大事なのは、単語の強勢やリエゾン、エリジオン、そしてリズムとイントネーションである。

特に、英語がstress-timed rhythmであることを理解していない日本人の英語は、ネイティブにはまったく奇異に聞こえる。英語のリズムになれて、それを発音できるようになれば、ネイティブにも通じるようになるだろう。

パターン: 学習する英語の種類について

英語の学習には、しっかりと目的をもって取り組まなければならない。だらだらと英語の小説なんかを読んだとしても、費用対効果はあがらないし、やる気もでないだろう。

例えば、最新の経済情報を英語で得たいという人なら、英語の経済ニュースサイトを継続的に読む。また、そうしたニュースを読むために、英語の経済用語に的をしぼって単語を覚える。

「経済情報」のような限定された範囲ならば、その範囲でよく使われる単語を覚えて、その範囲の文章をたくさん読んで構文のパターンをつかめば、その範囲の英語を身に着けることは難しくはない。

よく「英語で日常会話ができるようになりたい」などと言う人がいるが、話題の限定されない「日常会話」こそが、一番難しい種類の英語なのである。

Future Works

*1:これは、小学校英語が無意味である理由にも通じる。

*2:これは、日本人である自分が英語ネイティブに日本語を「ちゃんと」教えられるか、ということを考えれば明らかである。