IE コンポーネントブラウザ 〜わが青春の回想〜
(注: 本記事は10年前の記憶に基づいて書いており、一部不正確な部分があるかもしれません。)
- 追記(2010-10-23):いろいろ追加。
私は、Firefox のバージョン1.5 (2005年11月29日リリース) あたりからずっと Firefox をメインブラウザとして使っているが、それ以前(2000年代前半)は、タブ機能のついた IE コンポーネントブラウザを使っていた。
IE 以外のブラウザの話題は、今では Firefox、Safari、Google Chrome、Opera などの大手ブラウザベンダ製のもの以外について聞くことはほとんどなくなってしまったが、2000年代前半には、IE 互換タブブラウザが数多く開発され、競い合っていた*1。
IE 互換のタブブラウザの一番の利点は、その名の通り「タブブラウズ」機能があること。現代のほぼ全てのブラウザはこの機能を持っているが、タブブラウズ機能のない IE6 がデファクトスタンダードだった2000年代前半においては非常に先進的で便利な機能だった。*2
タブブラウズ機能以外にも、それぞれの IE 互換タブブラウザが、現代のブラウザがデフォルトで、あるいはアドオンによって実現している多くの機能を実装していった。いろんなブラウザをインストールして使い比べてみるのが楽しかった、そんな時代だ*3。
私が主に使っていたのは DonutP。Donut というタブブラウザから数多く派生したブラウザのうちの一つ。マウスジェスチャーや検索バーなども備えており、現代的なタブブラウザの基本的な部分はカバーしていたと思う。
その後、タブのツリー表示が可能なタブブラウザ KIKI に乗り換えた。タブを大量に表示する場合、既存のタブバーでは、どんどん表示領域が侵食されてしまう。タブツリーならば、表示領域を一定に保つことができ、また大量のタブを見やすく表示できる。私が Firefox に本格的に乗り換えたのは、タブツリー機能をアドオンで実現できたからだ*4。
今ではあまり話題になることがない、これら IE コンポーネントブラウザ群。それらの多くが消えていく中、開発が続けられているものもまだ存在している。たまには大手ベンダのブラウザ戦争から離れて、これらのブラウザに手をだしてみるのも悪くないかもしれない。
参考リンク
- タブブラウザ推奨委員会
- 当時はお世話になりました。
- http://www.din.or.jp/~blmzf/
- 当時はお世話に(略)。
- Donut RAPT 配布所
- 当時は(略)。
- ネットスケープナビゲータはそれからどうなったのか~20世紀末ブラウザ興亡史~ : Timesteps
- 主流ウェブブラウザ興亡史。IEコンポーネントブラウザからは離れるが、興味深い。
(DonutP は配布サイト消失)