情報処理学会論文 (ジャーナル、トランザクション、研究報告) Latex 原稿作成 Tips

この記事、2年くらい下書き(書く内容を箇条書きしただけ)のまま放っておいて、最近見返したら、何を書いたらいいのかわからなくなってしまった。皆さん、昔の断片的なメモは信頼しない方がいいですよ。

では本題。今回の記事の目標は、情報処理学会へ投稿する論文 (ジャーナル、トランザクション、研究報告) を Latex で作成する場合につまずきがちな二つの点について、その解決策を示すことである。

動作確認環境: WindowsXP SP3、TeXインストーラ3による Latex 環境

注意: 原稿作成についての正確な内容については、情報処理学会ウェブサイトを参照してください*1


まずはご本家の情報が第一。「http://www.ipsj.or.jp/08editt/journal/shippitsu/journal.html」および「http://www.ipsj.or.jp/09sig/kenkyukai/genko.html」をよく読み、リンクされている Latex スタイルファイルをダウンロードして、原稿を作成する。その上で、以下のような点に注意するといいだろう。

(1)ランドスケープ(横長)原稿作成

情報処理学会の論文はA4横長(ランドスケープ)の製版である。一方、Latex でのドキュメントのデフォルトは縦長であり、横長の DVI、PDF ファイルを作成するには、それなりの指定が必要になる。

まず、ランドスケープな DVI ファイルの作成の仕方だが、これは情報処理学会論文製版用スタイルファイルを利用するだけで良い。つまり

\documentclass{ipsjpapers}

とする。作成する論文の種類によって、適宜オプションを指定すること。例えば研究報告を作成するには techrep オプションを指定する。また、英語論文を作成するには english オプションを指定する。

dviout で横長の表示をするには、メニューバーで (1) [Option] > [Setup Parameters] > [Paper] > [Orientation] で Landscape を選択し保存する、または (2) [Paper] > [Landscape] にチェックを入れる、のどちらかを行えばよい。

ランドスケープな PDF ファイルを作成するには、dvipdfmx の実行時に -l オプションを付ければよい。あるいは、Latex ソースファイルのプリアンブルに \AtBeginDvi{\special{landscape}} と書いてもよい*2

(2)フォント埋め込み

情報処理学会研究報告の原稿のPDFファイルには必ずフォントを埋め込む必要がある。さしあたって、IPA フォントを利用すればよいだろう。

まずIPAフォントをインストールする。そして、IPA フォントのマップファイルを作成し、dvipdfmx での PDF 作成時に -f オプションでマップファイルを指定することで、フォントを埋め込めばよい。

参考:「チュートリアル/PDFの作成 - MyTeXpert

作成した PDF ファイルがちゃんとフォントを埋め込んでいるかどうかは、「http://pdf.printjapan.com/」でチェックする。

余談: 日本語論文と英語論文での Latex コマンドの違い

日本語論文を作成する場合と英語論文を作成する場合とで、Latex の書き方は基本的には変わらない。ただし、一部のコマンドが異なっている場合もある*3ので、情報処理学会論文製版用スタイルファイルに含まれている日本語ガイドおよび英語ガイドをそれぞれ参照すること。

*1:個人の経験に基づく記事なので、誤りが含まれている可能性もあります。

*2:dvipdfmx で landscape - ドレッシングのような」を参照。

*3:例えば受付、採録コマンドや、タイトル指定コマンドなど。