論文整理の最善の方法を求めて

「押し出しファイリング」を始めた頃、論文も同様にA4封筒に入れてファイリングしようとしたが、挫折した。現在では、クリアポケットのつけはずしができるバインダーを複数冊買って、そこに入れている。これは、論文の走査をしやすくするためという理由が大きい。

押し出しファイリングとは

「押し出しファイリング」は、「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)で紹介されている有名な書類整理手法。ひとまとまりの書類を、A4の紙が入れられる封筒に入れ、本棚に一列に並べる。ある書類が必要になって、棚からその封筒を取り出したら、戻すときは並べてある封筒の一番端に戻す。これにより、最近使った書類(の入った封筒)が棚の一番端に来るようになり、もう一方の端にはほとんど使わない封筒が来るようになる。それゆえ、書類の探索がしやすくなるのである。

実際、これは個人向けとしてはかなり効率的な整理法だ。これを使うまでは、私は、10〜20ポケットぐらいのクリアファイルに書類を適当に入れていたが、出し入れや書類探しがかなり面倒だった。しかし、押し出しファイリングを利用するようになって、そうした問題のほとんどが解決し、書類の整理や探索の手間が大幅に減った。

論文整理 vs. 押し出しファイリング

だが、論文だけは、封筒による押し出しファイリングではどうもうまくいかない。その理由を考えてみたが、多分次のようなものになる。

  1. 入手した論文が多すぎて、封筒の数が増加してかさばり、棚を圧迫する。
  2. 封筒にタイトルや著者名を書くのが面倒。クリアファイルなら、著者名もタイトルも論文の一ページ目に書いてあるので楽なのだが。
  3. 論文を入れた封筒の数が、論文以外の書類を入れた封筒の数より多すぎることにより、棚における論文以外の書類を入れた封筒の位置が散開してしまい、書類探索が面倒になる。
  4. 論文を封筒に入れた場合、封筒に書いた情報*1しかわからないため、不便。クリアファイルなどに入れて、論文の一ページ目*2がみえるようにしたほうがよい。

2番目と4番目の問題を解決するには、単純に、クリアファイルを利用すればよい。ただし、1番目と3番目の問題は解決しない。3番目の問題を解決するには、論文だけ普通の書類とは別のところにおけばよい。ただしこの場合、書類を一箇所にまとめることをあきらめているので、押し出しファイリングが解決した諸問題が復活することになる。

また私は、論文を、一ページ目(アブストラクトやイントロダクションが書いてあることが多い)をじっくり見ながら走査することが多いのだが、封筒やクリアファイルの場合は、それがやりづらいという欠点がある。

論文整理の最善の方法を求めて

現在では、「クリアポケットのつけはずし」ができる以下のバインダーをつかって、論文を整理している。これは、一つの封筒orクリアファイルに一つの論文を入れる場合より、論文を走査するのに適している。というのは、論文の一ページ目をじっくり眺めるには、棚でクリアファイルを走査していくより、机にバインダーを持ってきて行うほうがやりやすいからだ。

マルマン クイックワークA4判タテ型・4穴(20ポケット)【青】 CF443-02

マルマン クイックワークA4判タテ型・4穴(20ポケット)【青】 CF443-02

ただこれだと、論文が増えていったときに、クリアポケットのつけはずしをしているうちに、バインダーの中のクリアポケットの数がふぞろいになるという問題が生じる。ポケットの数をバインダーごとにそろえる手間は、バインダーが増えるたびに大きくなる。やはりこの手法も、自分にとって一番というわけではない。

いずれにせよ、論文を整理する自分にとって最も良い方法について、私はいまだ見出せていないわけだ。

*1:実際的にはおそらく著者名とタイトル。

*2:タイトル、著者名、掲載誌名、アブストラクト、第1章の最初の部分が書かれているであろう。