個人主義は、利己主義の反対: 林望「新個人主義のすすめ」

新個人主義のすすめ (集英社新書 (0427))

新個人主義のすすめ (集英社新書 (0427))

とても面白かった。感想を書くよりも、本文を書き写すことで、頭に残すことにしよう。

要するに個人主義というのは、自分のことだけを考えているのではダメで、自分以外の他人を「一個独立の個人」として認める、ということが根幹の、もっとも大切なことなのです。
となると、これはまずは「他人のことを思いやる」ということが、個人主義にとってはもっとも大切だというわけなんです。おわかりですか。
したがって、正しい意味での個人主義は、決して利己主義ではなく、むしろその正反対、利他主義といっても良いくらいです。

林望「新個人主義のすすめ」、pp. 17-18

個人主義はつるまない。
個人主義は他者を認めて調和する。
個人主義は思いやりの心を大切にする。
個人主義は不必要に人に干渉しない。
個人主義は自分の言行に最後まで責任を持つ。
個人主義は威張らない。
個人主義は人に無駄をおしつけない。
個人主義は自分の好みを人におしつけない。
個人主義は感情に流されない。
個人主義は約束を守る。
個人主義は時間を大切にする。
個人主義付和雷同しない。
個人主義は流行に流されない。
個人主義は自分を自分らしく表現する。
個人主義は家族を大切にする。
個人主義は規則を守る。
個人主義は人の話を良く聴く。
個人主義は貪らない。
個人主義はいつも静かに。
個人主義は環境に配慮した暮らしをする。

個人主義とはなにかと言ったら、この二十箇条のなかにその答えがある、と私は考えます。
そして、そうであるなら、個人主義的な社会というのは、ほんとうに人に優しい、暮らしやすい社会なのだということを、ぜひ知って欲しいものだと思わずにはいられません。

林望「新個人主義のすすめ」、pp. 194-195