ひとまとめにするという思想: 奥野宣之「情報は1冊のノートにまとめなさい」

手帳術や書類整理術などの「情報」を取り扱う本は、これまで数多く出版されている。それらの本の提案する手法の中には、似たようなものもいくつかある。そのひとつが、「情報を、(何らかの)時系列順に、一箇所にまとめる」というものだ。

今日取り上げる本もこの思想に則ったものだ。

情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)

情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)


本書は、「「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)」や「ChangeLogメモ」などに連なる系譜の情報整理本。結構売れた本だから、知っている人も多いだろう。

本書の提案する手法は以下のとおり。

メモを内容別に分類せず、一冊のノートに時系列順に書く。書類やレシートなども、どんどんノートに貼り付けていく。とにかく、情報という情報を全て一冊のノートに格納することを目指す。

ノートを使い切ったら、書いた項目にタグを付けた索引データをテキストファイルとして作成する。過去のノートから情報を引き出したいときは、タグや項目タイトルをキーワードに全文検索をする。そうすることで、分類による情報整理の手間から解放され、記憶への負担が減り、情報管理以外のことに集中することができる。

この手法による利点は、以下の引用を読めばよく分かる。

とにかく、手帳でやっているスケジュール管理やメモ以外にも、あらゆる「書いたもの」「もらったもの」を一括して管理できる「ノート」を作って、整理しないまま書き殴り、情報をどんどん突っ込んでいく。
それでも、見直したい記述や資料を思いのまま引き出せるようにしようじゃないか。アタマを空っぽにしてストレスフリーに仕事をすれば、アイデアだって浮かびやすくなるし、効率だって上がる。

「情報は1冊のノートにまとめなさい」、p.7

内容がよくまとまっており、実践的な記述も豊富。目次も参照しやすい。この手の本としてはなかなかいいんじゃないかと思う。